地熱発電
バイデン政権誕生で、温暖化防止のための世界の主要国の二酸化炭素排出削減に向けての動きが加速してきました。とても良い動きだと思います。日本も菅総理が2050年までにCO2排出を実質ゼロにするとの目標を掲げました。
そのためには、さまざまな施策を実際に実施する必要があります。発電の方式にはさまざまなものがあり、太陽光発電や風力発電はお馴染みのものだと思いますが、そんな中であまり注目が当たってないと思われる発電方式に地熱発電があります。実は、日本は地熱発電のポテンシャルは世界三位なのです。
そのポテンシャルは以下の資料によると2347万kWhとなってます。
それにもかかわらず実際の発電量では世界に遅れをとっています。2018年のデータでは世界のランキングでは10位に止まっているそうです。もったいないですね。
東日本大震災前は国として原子力発電を推進してきたので、地熱発電にはまったく力が入ってなかったのでしょうが、そのあとも中々進まないのは歯痒いところです。
太陽光や風力に比べて24時間常時発電が可能だというのは、原子力発電と似たベースロード電源として使えるので、原子力発電を再開できない現状では、是非推進すべき方式だと思います。
以下の資料によると、日本の原子力発電所は33基あり、総発電量は約3308万kWh相当のようです。地熱発電のポテンシャルは2347万kWhですから、原子力発電の約2/3を賄える可能性があるわけです。
地熱発電開発が中々進まないのは、調査に時間がかかるというのがあるようです。ボーリングをしてみないとわからないので、試掘を繰り返す必要があり、すぐに建設ができるわけではないのは仕組み上仕方がない点ですね。そういう点でも中々民間が投資しづらいのかもしれません。
あと、地熱発電所の適地が国立公園だというのが進まない理由の一つにあげられてます。法的には近年緩和され、環境省はむしろ推進したいようですが、地元との交渉に時間がかかると書かれています。もし、これが本当なら、地元側の意識の変化を促したいところです。日本の国立公園の自然環境を守るのために地熱発電の推進にブレーキをかけることで、世界の自然環境が破壊されては、結局日本の自然環境を守ることはできないのですから。国立公園の地権者は国なのですから、地熱発電を推進し、その売電の収益の一部を地元に還元するという策もあるはずです。
今後の温暖化対策を見据えて、日本も2050年にCO2排出ゼロを表明した以上、今までのような腰の引けた対応ではなく、世界をリードする技術革新をして、先頭に立っていくべきでしょう。その意味でも、地熱発電技術は実は日本が多くを保持しているそうですから、今後大いに期待したい分野です。