TeaTown’s blog

持続可能な社会に向けた独り言

2021年総選挙におけるベーシックインカムの政策について

2021年の衆議院総選挙も中盤に差し掛かり、各党の公約も出揃ったと思います。バラマキと批判された給付関連の政策も各党から色々出ていますが、結局ベーシックインカム(BI)として政策を打ち出したのは、日本維新の会と国民民主党だけでしょうか。(見落としがあったらすみません。)

ちなみに、ここでベーシックインカムというのは、年齢(もちろん性別など)に関係なく全国民に恒久的に給付することを言います。なので、コロナ対策として時限的に給付するのはベーシックインカムではありません。

2党のベーシックインカムに関する公約は以下のページの情報をもとにしています。

日本維新の会 https://o-ishin.jp/policy/pdf/nippondaikaikaku_plan_202109_fix.pdf

国民民主党 https://new-kokumin.jp/wp-content/themes/dpfp/files/DPFP-Policies-Pamphlet2.pdf

国民民主党の政策にはベーシックインカムというキーワードがありますが、給付付き税額控除と書いてあるので、行政コストの点や事後給付である点など色々とベーシックインカムとは異なるので、もっと詳細を知りたいところです。例えば、所得なしの子供でももらえるようになってないとベーシックインカムとは言えないと思いますし。

一方、日本維新の会は、割と詳細なプランを開示しています。ざっとまとめると、

  • 一人当たりの給付額は6〜10万円/月で、高齢者には増額も。
  • BI予算規模は約100兆円/年
  • 各種所得控除を撤廃
  • 生活保護制度は残しつつ、生活扶助部分はBIに置き換え
  • 児童手当はBIに置き換え
  • 現物支給の社会保障(医療、介護、福祉、教育、雇用、など)は据え置き
  • 年金は基礎年金部分をBIに置き換え

となります。

児童手当と老齢基礎年金を上記想定額のBIにするのは大きな異論はないでしょう。生活保護やその他の社会保障をなくすわけではないので、一般的には受け入れやすいやり方だと思います。さらに、所得税を2段階のフラットタックス(BI超え700万以下を10%、それ以上を30%)にして、分離課税をやめて全て総合課税にするというのも、良い案だと思います。一時、岸田首相がぶち上げた株式譲渡益への課税強化策より、こうして全てを総合課税にした方が、若い層の株式投資に水を差すことなく、高所得者からの課税強化による分配を実現できます。総合的に、年金も含めた幅広い、うまく考えられた政策パッケージになっていると思います。

岸田首相も分配が重要だと言っています。世界的に、新自由主義の資本主義により格差が拡大し(トリクルダウンの機能不全)、その格差を是正することが急務となっています。また、世界的なパンデミックにより、危機へのセーフティネットが十分でないことが明らかになりました。(実は日本では大規模地震などの災害で前から言われていたことなのですが。)これらの課題へ対応する政策としてベーシックインカムに近年注目が当たっています。もちろん、ベーシックインカムでこれらの課題を完全に解決できるわけではないですが、現状よりも良い社会になるのではないかと期待されています。

このベーシックインカムを是非日本でも実現して欲しいなと思います。日本維新の会が与党になるかどうか分からないので、選挙の結果与党になった党は、この日本維新の会ベーシックインカム案を是非検討してほしいと思います。