TeaTown’s blog

持続可能な社会に向けた独り言

Weekly Ochiai コロナ後の「シン・ニホン」とは?2021-03-03

雛祭りの日に行われたNewspicksのWeekly Ochiai「コロナ後の「シン・ニホン」とは?」は、Yahoo!の安宅氏と慶應大学の宮田氏を迎えた回で、ほぼ1年ぶりの中間総括的なトークだった。

newspicks.com

落合氏が、ここ一年の日本のCOVID-19対応は「失敗の本質」と同じことが行われてきたと言うのは、まぁ、その通りだろう。この国の意思決定の不透明さを散々見てきた気がする。

安宅氏が非常時と平常時をスムーズに行き来できる体制・社会が必要と言ったのには、まったく同感だ。手前味噌な話になるが、東日本大震災の後、やっていたプロジェクトでは、ITをどのように減災・防災に活用し、レジリエントな社会を作れるかというものだった。その結論の一つは、平常時のシステムを有事用に転用できるように最初から設計し、実装し、訓練し、活用するということだった[1]。震災後、防災用に作られたシステムが機能しない、使い方が分からなくて使えない、など残念な例を沢山見てきた。

今回のコロナ禍でも、この国のデジタル化の遅れに驚くことになった。宮田氏が言うように、デジタル化が必須であることを日本社会が認識できたことが将来に向けた一つの明るい兆しなのかもしれない。しかし、その先に進むには、安宅氏が示したような自然環境、災害、パンデミックを見据えた社会のDX化と、平常時と有事の迅速なモードチェンジが可能な社会の構築が必須となる。そのような「シン・ニホン」が構築されるのを期待したいものだ。

 

[1] 渡辺日出雄, レジリエントな社会を実現する情報技術, 情報管理 2014 年 57 巻 2 号 p. 69-79, https://doi.org/10.1241/johokanri.57.69