TeaTown’s blog

持続可能な社会に向けた独り言

グレート・リセット by クラウス・シュワブ、ティエリ・マルレ

ダボス会議と言われる世界経済フォーラムの主催者が著したアフターコロナの処方箋とも言われる本「グレート・リセット」を読んでみました。書かれたのが昨年前半なので、今読むとそれほど驚きはないというのが正直なところです。COVID-19で激変した世界が今後どうなっていくか、というか、現時点ではすでにそうなっていることを

  • 経済
  • 社会的基盤
  • 地政学
  • 環境
  • 技術
  • 政府、企業、産業
  • 個人、健康

などの観点でリセットというキーワードでまとめてくれていると考えると分かりやすいです。

個人的にCOVID-19が真っ先に影響を与えた世界的イベントは、昨年の米国大統領選挙だったのではないかと考えています。トランプ大統領の再選が阻まれバイデン大統領の民主党政権ができました。2017年のトランプ政権の始動以来、世界の分断が進み、地球温暖化対策などの世界的な連帯が必要な施策には急ブレーキがかかっていましたが、バイデン政権の登場と同時に世界中で地球温暖化政策の進展や表明が相次ぎました。日本でも菅政権で2050年までにカーボンニュートラルを目指すとの表明がありました。世界が温暖化対策実施への舵を切ったというのは、COVID-19がもたらした世界への変化の一つだと思います。

これは、企業経営は株主利益最大化だけではダメで、この本にも書かれているステークホルダー資本主義への転換が必要だと言う流れが数年前から提唱され始めましたが、それが動き出したとも言えるでしょう。

 

COVID-19により世界中でやっと動き出した変革への機運が続いて欲しいと思います。持続可能な循環型経済体制の構築という数十年単位で行われる世界的変革の元年を迎えたと信じたいところです。