TeaTown’s blog

持続可能な社会に向けた独り言

非常時の社会的プロトコルについて

社会的プロトコルというのは、曖昧な概念ではありますが、法律というよりも社会の中で皆が従っている規範や行動という意味合いで理解できると思います。この記事は、災害時などの緊急時に我々が取るべき社会的なプロトコルを考えたいと思います。

 

たとえば、震災後はいつも安否確認のため電話の輻輳が問題になります。今回新型コロナウイルスでは、買い占めの問題が起きました。一時的に限りあるリソースを使ったり買ったりしようとする行動はある意味避けられない事態であることは、別記事で大阪大学准教授の方のゲーム理論を用いた分かりやすい解説を紹介したとおりです。

teatown.hatenablog.com

 

上記のような限定リソースを使ったり購入したりすることを限定リソースの占有行動と言うことにします。危機時には、様々な要因で供給が少なくなったり、逆に需要が急激に増えたりします。このような供給を上回る需要にどう対応するかが問題となります。そのためには、占有行動の平滑化が必要で、この平滑化をみんなで実現する社会的プロトコルを普及させていきたいと思います。その際に使うと良いと思うのが、自分の情報です。電話番号や生年月日や何らかのID番号です。というのも、各人の身近な忘れない情報に基づく行動でないと、非常事態のような時には、実際には使えないと思うからです。

 

では、幾つか見ていきましょう。

 

電話

 

電話のかけ方に関しては、東日本大震災の時にある政府関係者の方が言っていた(今や誰だったか覚えておらず)以下の方法が今でも記憶に残っています。それは、自分の電話番号の数字で電話をかけることができる時間を決めるというものです。たとえば、自分の電話番号の末数字(最後の数字)が3なら、03分、13分、23分、33分、43分、53分にだけ発信できるようにするということです。これはあくまでもこのプロトコルを分かりやすく説明するために書いただけで、これだと全国民を毎分10等分するだけ(番号が一様に割り当てられているとすると)なのであまり輻輳防止には寄与しないので、もっと間引く必要がありますね。なので、これらも考慮すると、例えば、以下のような方式が良いのではないかと思います。

 

・自分の電話番号の末数字(123-456-7890なら0)と時間の分の末数字が同じタイミングでのみ発信する。

・ただし、一度発信したら、次の機会は発信せず、その次の機会に発信する。(要するに、連続の機会で発信しないようにする。)

・ただ、110番や119番などの緊急の番号への発信はいつでもOKとする。

 

もっと良いプロトコルがあれば、是非教えてください。

このプロトコルを電話会社が緊急時のシステムとして実装するといいのではないかと思います。

 

マスクなどの物資の購入

 

供給が需要にまったく追い付かない物資では、いつまでたっても普通に購入できるようにはなりません。ある程度間歇的に入荷があっても並べる人しか買えないという不公平が生じます。今まさにマスクがこの状態になっています。(一時期、ティッシュやトイレットペーパーが店頭から消えましたが現在は元にもどっていますね。)この購入機会の不公平を改善するには、配給制というのが最終手段になるのでしょうが、ここでは、配給制の前にできる社会的プロトコルを考えたいと思います。これについては、3/22にTVタックルというTV番組で紹介された韓国のマスク販売方式が回答だと思います。それは、以下のような方式です。

 

・平日の各曜日に0-9のうち二つの数字を割り当てる。(例えば、月曜日は0と1、火曜日は2と3、以下順々に9まで。)

・自分の生年の末数字(1992年なら2)が割り当たっている曜日にだけマスクを購入できる。

・販売店は近隣地域内で販売時間をずらす。(A店が午前なら、B店は午後とか。)

・土日は平日購入できなかった人は誰でも購入できる。

 

これは、中々巧妙なプロトコルだと思います。日本であれば、政府・都道府県からの要請で販売店が対応してくれそうに思いますが、いかがでしょうか。

 

ただ、該当者かどうかの判断のため、購入時に店員に生年月日を示す証明書(運転免許証とか)を見せることになるので、プライバシーの問題を気にする方もいそうです。究極的には、マイナンバーカードを機械にかざすと購入権利があるかどうかを知らせるシステム化ができると良いと思います。(マイナンバーカードにアレルギーのある方も多いようで、簡単には浸透しないかな?)

 

ただ、ネット販売では、ユーザーの生年月日はすでに渡しているので、システム側がこういうプロトコルを実装するのは容易なはずです。是非、インプリしてほしいですね。