TeaTown’s blog

持続可能な社会に向けた独り言

マスク不足問題について

新型コロナウイルスで、世界中が大変な事態になっています。治療手段がない新しい病気に対する対処法に関して、今回の新型コロナウイルスへの対応は、うまく行っていることとそうでないことが浮き彫りになりました。今後の教訓として、パンデミックに向けた社会システムのレジリエンスを高める活動が必要です。まだまだ流動的なので、今回は、マスクに代表される必要物資の不足を取り上げます。

 

マスクの品不足は深刻ですが、最近は、マスクだけでなくトイレットペーパーも店頭から姿を消すということになっています。それ以外にも、インスタント麺など保存がきく食品の買いだめが多くなっています。マスコミなどでは、理性的な行動ができない消費者という批判が横行していますが、全員が理性的な消費者でない以上これは避けられない現象です。これについては、経済学者の安田洋祐氏の以下の解説が非常によく説明しているので一読をお勧めします。

 

business.nikkei.com

 

通常の購買活動と買い占めの二つのナッシュ均衡がある行動なわけですね。この買い占めナッシュ均衡から通常のナッシュ均衡に戻すには、全員が一気に移行しなければなりません。いくら、政府やマスコミや学者が理性的な対応を求めても駄目なわけです。国民全員が移行するには、本質的には配給制あるいはそれに類似した手段にするしかないでしょう。

 

配給というのは、国民全員に平等に配るということですので、従来手法としては、公民館などに取りに来てもらうか、全戸に配達するということになるでしょうが、このITの時代には他の手段も考えられるでしょう。(ちなみに、特定の場所で配給というのは、感染症の場合は、人々を特定の場所に集めることになるので、良策ではないでしょう。)配給は無料で配るというイメージですが、通常の購買でも公平な購入機会を実現する手段がありそうです。近年政府はマイナンバーカードの普及を推進しているので、店頭で購入する際に、マイナンバーカードを使って一人当たりの枚数/個数制限を可能にできるのではないでしょうか?確か今年マイナンバーカードを使って購入時にポイント付与をするという発表がありましたから、そのシステムを流用するような形で実現は可能だと思います。

 

マスクの国内流通量は、以下記事によると、3月は1月の2倍にして6億枚だそうですから、これではいつまでたってもお店で普通に買えるようにはならないでしょう。生産量を増やしても焼け石に水なわけです。

www.sankeibiz.jp

普通に増産しても、この程度ではお店に並んだ瞬間に売り切れとなるのは必定で、開店時にお店に並ぶことが出来る人しか手に入れられないことになります。供給側だけの対策では駄目だと言うことが、今回露わになった問題点だと思います。公平な購入機会の実現が課題です。

 

2020.03.22 追記

 

今日放送されたNHK SPとTVタックルでは、非常に有益な情報が多々ありました。中でもマスク問題について、韓国と台湾のやり方は日本にも導入すべきだと思いました。

www6.nhk.or.jp

韓国では、生年の下一桁でマスクを購入できる曜日が決まっているそうです。さらに地域のお店が連携してマスク販売の時間を変えているとのこと。購入分散を図る非常によいやり方です。(←これはTVタックルでの紹介)

 

台湾では健康保険証のようなIDを見せて一週間に購入できる枚数が管理されているようです。これは上に書いたマイナンバーカードを使って制限する話と同様の施策です。台湾ではすでに各店舗にIDで購入を管理する手段が提供されているということなんでしょう。

 

今すぐに導入できるのは韓国方式です。台湾方式(や上で書いたマイナンバーカード方式)は日本では長期的な施策として考えて欲しいところです。